手紙の内容をメール本文に貼り付け、「チェのさすらいの日本語訳について」 というタイトルをつけ、ラモンのメールアドレスを貼り付けて準備完了。送信ボタンを押したらこのメールがあのラモン・チャオに届くなんて、ちょっと信じられない気持ちでしたが、覚悟を決めて送信ボタンを押しました。送信完了のメッセージを確認して、もし返事が来るとしても数週間後だろうなと考えながら、スペイン時間の遅い昼食へ。

その日の夜メールを見ると、なんと受信ボックスにRamon Chaoの文字が!あまりにも早い返信に、一瞬別の友人のラモンからのメールだと勘違いしたくらいです。ドキドキしながらメールを開けてみると…

haz lo que quieras con mis textos; lo que deseo es que se difundan.(私の文章は好きなようにしてくれ。私の望みはそれが世に広まることだから。)

予想だにしなかった返信内容に再度びっくり。とてもシンプルな文章だったんですけど、もしかしたら重大な勘違いをしてるかもしれないと、思わずスペイン人の夫に内容の確認を頼んでしまいました。だって、こんなにあっさりと許可がもらえるなんて夢にも思っていなかったんです。

ラモンへの手紙を書きながら、そもそも、何もかもが未定のこんな雲を掴むような計画について相談されたところで、対応に困るだろうなということは想像がついたので、メールの最後には「私たちの計画について質問していただければ何でもお答えします」と書き添えました。質問でもなんでもいいから返信がもらえればと思って。

それでもし返信が来たらそれを糸口にして、何度かメールをやりとりしながら時間をかけて(その間に私たち計画も少しずつ具体的になって、もう少しは説得力のあるプロジェクトになっていくだろうし)私たちの思いを理解してもらおうという方針を立てて、その後の返信の構想もいろいろ練っていたんです。

それがあっさりOKが出て、なんか拍子抜けというか、一気に力が抜けていくのが自分でもわかりました。それと同時に、ラモンという人の懐の広さというか、人間としての器の大きさに触れて、彼のことをもっとたくさんの人に知って欲しいという思いが以前にも増して強くなりました。

頼んだ本人の私が言うのもなんですけど、出版社の人間どころか、プロの編集者でも翻訳者でもない、いうなれば一読者からの翻訳を出版させてくださいというお願いですから。こんな無茶な話に即答できる人なんてそうそういないよなと、この時やっと自分のお願いの無謀さに気づいたのでした…。

とまあ、いろんなことが頭を駆け巡ったのですが、ラモンへのお礼のメールと日本への結果報告メールを書き上げて、何はともあれまずはお祝いしようとCavaカバを買いに行きました。

バルセロナ市内のカバ専門店

このCavaカバとはスペイン産の発砲ワインで、クリスマスなど何かお祝い事がある場合には必ず出てきます。19世紀の終わりに、カタルーニャのPenedèsペネデス地方のワイナリーが、土着の葡萄品種を使ってフランスのシャンパンと同じ製法で作ったものがカバの始まりだそう。製法は同じなのですがシャンパンと呼べるのはシャンパン地 方で作られたものだけということで、スペイン産のものはカバと呼ばれています。

日本でも手頃な値段で売っているので、お酒のお好きな方は試してみてください。 発砲が強いので飲み口がすっきりしていて、日本の暑い夏を吹き飛ばすにはぴったりですよ。よ~く冷やして飲んでくださいね! Salud!!

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