LJ-キューバにやって来て、こちらの人々との関係はどう?

MC-人々との触れ合いはとても美しいものだよ。それがハバナだろうが、とても家族的な雰囲気のエル・メフンヘだろうともね。今やりたいのは、バンドのメンバー全員と一緒に一刻も早くここに戻ってくること。ルンバ[1]もいいから、みんなに気に入ってもらえることを願っているけど、バンド全員で戻ってきたくてしょうがないよ。ハバナやキューバの他の場所を回って、3時間のステージをやるためにね。サウンド・チェックの間に若い子たちに会ったんだけど、このコンサートのために100キロも旅してきたって言うんだから、本当に可愛いよね。実際、とっても美しい人々との触れ合いがあったから、もっとたくさんお返しするために、バンドと一緒に戻ってきたいと思っている。

LJ-今までラテンアメリカのさまざまな場所で暮らしてきたけど、 キューバに一定期間住もうと思ったことはないの?

MC-ここに来るたびにそれを考えるよ。ミュージシャンをのぞいて、この人生でなれたらいいなと思っているものの一つが医者で、医学を学びたいんだ。そのために世界で最良の場所はキューバだよ。この一週間人生の選択肢の一つとして、このことを考えていた。人々を治療することを学びたいから、世界中で先生を探している。もう少し時間が必要だけど、いつの日かそれを決断するつもりだ。そしてこの一週間、いい先生を見つけるのに世界で最良の場所はどこかを考えていた。それはキューバ。なぜなら、ここではさらに音楽の先生も見つかるから。キューバ人は全員音楽の先生さ。

LJ-想像してみてよ。何年後かに、君の診療所に入ってきた人が言う。「あなたのCDは全部持ってますよ」って…。

MC-多分診療所で治療することはないだろうな。今と同じようにその辺をふらふらしていて、たどり着いたところで人を治療することになると思う。診療所にいる自分は想像できないな。想像できるのは、ギターと治療の知識を携えて歩く自分の姿だよ。痛みを取り除いてあげることは、人にしてあげられる最高のプレゼントだからね。本当に素晴らしいことだと思う。少しずつ勉強していて、和らげてあげることができるようになった痛みもあるけど、まだまだ道は長いね。

キューバに関して僕に足りないのは、本当はもっと長い期間滞在したいんだ。いつもコンサートをしたり、一週間程度過ごしにくるばかりだから。キューバをより良く、もっと奥深くまで理解するためには6ヶ月かかるって言うけど、そこに至るまでにはまだまだ時間が足りていない。

LJ-今回の旅には、長い間共に仕事をしてきた画家Jacek Wozniakヤセク・ワォズニャックが一緒だよね。つまりチェへオマージュとして捧げるのは、コンサートだけではなく、造形芸術もってこと…。

MC-一番最初、僕の代理人のホルヘからこの日のために来るっていう話を聞いたとき、まだコンサートの話はなかったんだ。そのとき僕はワォズニャックと一緒にいたから、最初に考えたのが二人で行って一緒に絵を書くことだった。なぜなら僕たちは一緒に展覧会をするんだよ。ワォズニャックはよく僕の家に絵を描きに来るんだ。僕が住んでいるのは作業所みたいなところで、たくさんスペースがあるからね。 初めて一緒にした仕事がSiberie m’etait contée[2]の本だ。その頃、何年も前からほったらかしにしていた文章がたくさんあった。若い頃にフランス語で書いたもので、自分にとっては失敗作の歌だった。ある日彼がスタジオにやってきてこれを全部読み始め、僕に持って帰っていいかってきくんだ。それから一週間後に戻ってくると、それぞれの文書に絵がついていた。そのとき、僕がダメだと思っていた文章が、彼の絵を一緒になったとたんに上手く回りだしたんだよ。それでこの本を作ることを決めた。彼が僕の文章に絵を描いて、一緒に一つの職業を学ぶことになった。一年に渡る作業を通じて、本の作り方を学んだんだ。全部自分たちでやったからね。文章を書く、絵を描く、見本版を作る、紙を探す、印刷所に行く。とても美しい経験だったよ。

そのあとも、彼は絵を描きに僕の家を訪れ続けた。そしてある日、僕の心にナイフを突き立てた。「今度は、君が僕の絵の上に文字を書いてくれ。」って僕に言うんだ。絵を描くのに何ヶ月かかったとかいう問題でなく、Photoshopで作業すること、つまり上手く行かなかったとしても、消すことができるから大丈夫というのと、二度と消すことができない絵の上に文字を書くというのは、全く話が違う。僕にはなんの技術もないんだから。でもあまりにもしつこいから、ついにある日僕は彼の絵の上に落書きを始めたんだ。そこから今やっている展覧会が始まった。マヌとワォズニャクだからManwozマンワォズ。図書館や誰もが見ることができるオープン・スペースで展示したんだ。いつかここに持って来られることを願っているよ。夢の一つだね。(つづく)

[1]アコースティック・バージョンでの演奏のこと。

[2]この本についてはラジオチャンゴJPのnahokoさんが作成したこちらのサイトを参照ください。

Siberie m’etait contéeに付属のCDに収録されている「Sibérie fleuve amour 」です。

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