このブログの開設前後から、プロジェクトの進行状況の報告やブログの件でラモンと定期的にメールのやりとりをするようになりました。そんなある日のこと「話がしたいから、電話番号を教えてもらえないか。」というメールが届きました。未だに電話でスペイン語を話すのは少々気が思いのですが、そんなことも言っていられないので、すぐに電話番号を知らせるメールを返信しました。でも、心の中はかかってくればいいいなとかかってこないといいなという思いが半分半分。

その当日のこと。昼食を食べに家に戻ると、夫が玄関までエプロン姿で走って来て「ラモン・チャオから電話があったよ。名前は聞かなかったけど、ガリシア訛りの年配の男性だったから彼だと思う。昼食に戻るとは伝えておいたから、また電話があるかも。」ちなみに、こちらに来てから携帯を持つのをやめたので、ラモンには家の電話番号を教えてありました。

「ええ、本当にかけてきた!!でも、留守で良かった…。心の準備もできてないし。」っていうのが、実は一番最初に頭に浮かんだこと。今日はもうかかってこないだろうと、昼食を食べソファーでうとうとしていると、「ラモンから電話!」と夫に起されました。やっぱりラモンは想像通り、思ったら即実行、行動の人でした…。

というわけで、心の準備も何も、半分寝ぼけた状態でラモンとの初めての会話を交わす羽目に。「オラ」と出てみると電話の向こうから聞えるガリシア訛りのスペイン語は、Youtubeで見たインタビューと同じ。受話器の向こうにその声を聞いて、私がメールをしていたのは本当にラモン・チャオだったんだと、改めて実感しました。

ラモンはスペイン人らしくよくしゃべる人で、なんだかんだと私が会社に戻るぎりぎりの時間まで話していました。で、今回の用件というのは、なんと6月にバルセロナに行くからその時に会わないかという話で、もちろん私に異存があるわけなんかありません。

こうしてついに初対面の日がやってきました。「Mediodíaメディオディアにはバルセロナに着くから、着いたら電話するよ。」って言われていたのですが、このメディオディアっていう時間帯がくせもの。日本語ではお昼とか正午と訳されるんですけど、ここに大きな文化ギャプがあるんです。日本ではお昼と言えば12時から2時位までの2時間程度のことを指すと思いますが、スペインではだいたい1時から4時、下手すると5時近くまでが含まれます。

どうにも予定を組むのが難しいので、休暇を取って家で待機していました。会社に行ってもとてもじゃないけど仕事にならないだろうし。ちなみに、スペインではTardeタルデ(午後/夕方)と言えば、5時頃から9時、夏は10時ぐらいまでのこと。夕方に会おうと言われて待ち合わせ時間が8時って日本の感覚ではありえないですよね。

この日は朝から電話が鳴るたびにドキドキしていたのですが、ついに2時過ぎにラモンから電話がありました。そして、ラモンが待つマヌ・チャオ邸に向かい念願の初の対面。ラモンは小柄で人の良さそうなおじいちゃんといった風なのですが、話を始めると一変、どこから出て来るのかと思わせるようなエネルギーで、少ししゃがれ気味の声で話すその話のおもしろいことと言ったら!

だからといってそこはガリシア人。まくしたてるようにと言うのではなく、おっとりとしたペースで、次から次へと話を展開していくんです。あまり時間がないということは聞いていたので、出来るだけ手短に切り上げようと思っていたのですが、いざ話し始めてみると話の腰を折るスキがない!!

終わってみれば軽く4時間以上は話をしていました。フランスのラジオの仕事を通して、スペイン語圏の著名人は文学者から政治家までほとんどみんな知っているようなので、私の方も好奇心がかき立てられて次から次へと質問して、火に油を注ぐ結果になってしまったのですが。

肝心の翻訳に関してのいくつかの疑問にも丁寧に答えてくれて、本当に有意義な時間になりました。このときに行ったインタビューの内容は、折りを見て発表しようと準備中です。どうぞお楽しみに!


インタビューを行ったサロンは、色とりどりのワォズニャクの絵で囲まれたなんとも不思議な空間で、すべてが手作りの暖かみに溢れていました。ワォズニャクは、チャオ一家とは家族ぐるみの付き合いをしているそうで、ラモンとも一緒にキューバについての絵本『Cuba Miracles (キューバの奇跡)』を制作しています。ちなみに、この絵本はマヌの弟アントワーヌが手がけたCD付き。

*「ここまでの道のり」を初めから読みたい方はこちらからどうぞ!

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