-現在の世界経済の状況を前にして、何が資本主義からの脱却となると思われますか?

-資本主義は常に市場と国家の連結をベースに機能してきたが、1980年に市場は国家を必要としないという見解が勝利した。好景気のサイクルが終るたびに理性的なケインズ主義的解決策が求められたのだが、いつも同じ無統制の市場という誘惑に陥るということを繰り返してきた。バブルの崩壊は回を重ねるごとに酷くなってきた。市場がさらに解放されたら、私たちはさらに酷い惨状へと導かれると考えるのが当然だろう。

-私たちは経験から何も学ぶことができないのでしょうか?

-バブルからバブルへを繰り返すシステムというのは不可能なのだ。10ユーロあたり9ユーロを金融システムが作り出し、生産システムが作り出すのはたったの1ユーロ。私たちは制御を失い全速力で走るレーシングカーのようなもので、期待できるのは人々が「もうたくさんだ」と言うことだ。現在までの反応はあまりにも穏やかで従順過ぎた。フランスで現在起こっていることは、世界のほかの国々にとっての起爆装置となり、革命が広がる可能性もある。社会が反乱を起し「もうたくさんだ」と言ったときに状況は変わる。

-なぜフランス人たちの怒りが爆発したのですか? 年金改革だけが問題なのでしょうか?

-この改革への反対は日々の生活が厳しくなっていることに対して、人々が感じている全般的な不快というコップが一杯になって溢れ出た滴だ。法的な退職年齢の引き伸ばしの裏側に、人々は労働の不安定化のネジがさらに締められたのを見たのだ。危機がもたらした結果に加えて、二コラ・サルコジの政策に対する高まりつつある苛立ちが結晶化したものでもある。

-フランス人のサルコジに対する反感の原因はなんですか?

-彼の右よりの政策というよりは、傲慢で絶対権力的に見える振る舞いが原因だ。それはフーケ精神(大統領がほんの一握りの金持ちで有名な友人に囲まれて選挙の勝利を祝ったエリゼ宮の贅沢さの名残だ)と呼ばれるもので、ベタンクール事件(ロレアルの後継者でフランスでも最も金持ちの女性。脱税で告発されており、サルコジの選挙運動に非合法な資金援助を行った)に最も良く描かれている。

-今までの他のフランス大統領と異なり、サルコジは通りからのプレッシャーに対して強固な態度を示しています。彼の対立姿勢はどんな結果を引き起こすことになるのでしょうか?

-彼の振る舞いは無責任だ。二つの道が生み出されたものの、どちらの道も間違っている。一つは、マーガレット・サッチャーが英国で行ったのと同じことをサルコジが成し遂げること。つまり労働組合を骨抜きにすることだ。もう一つは、社会運動がさらに強化されることだが、これはシステムを麻痺させることになりうる。状況は社会的な意味から抜け出て、巨大な暴力へと進んでいく可能性もあるのだから。

-著作において、米国の覇権が終わりを迎え、政治地政学の軸がアジア地域へと移動すると予言しています。人権という観点からみて、その変化はどんな結果を生み出すでしょうか?

-現在の中国における経済システムは最も野蛮な資本主義だ。現在のまま進んで、中国がこの世界の殉教者となるのは望ましくない。私たちは悪い世界からさらに悪い世界へと移ることになるのだから。中国は今のまま進み続けることはできない。二つの矛盾する力学を維持するのは無理な話で、政治的構造はそのままに、社会の発展だけをダイナミックに行うことなどできやしない。遅かれ早かれ、鎖の輪が壊れるのは避けられないだろう。

-新しい革命の中心が生まれるのでしょうか?

-必ずしも無秩序な革命である必要はない。世界も新たに混沌とした地域が生み落としたくはないだろう。中国はその制度を変化させながら発展することができると思う。

-富める国と貧しい国の間の差を減らすために、あなたはトービン税を提案しました。この解決策は今での有効でしょうか?

-有効だと確信している。この世界において最も売買されているのは、石油でもなければ小麦でもない。お金なのだ。金融活動の大部分は為替市場で発生している。トービンは投機の動きにブレーキをかけるために、売買一回につき各国が0.1%の課税を行うことを提案した。この原則加えて私が提案する税は、国連の管理の元で南側の貧しい国々の発展のために使用する基金となる。計算すると為替市場についてだけで、この基金は毎年300億ユーロを得ることができる。国連の計算によれば120億あれば十分だということだ。

-現在の危機の状況では、このような措置を取るのはさらに難しいのではないでしょうか?

-所得税が生まれたとき誰もが大失敗だと言い、消費税のときも同じだった。もし今日の富の大部分が金融から生まれるのであれば、付加価値税のような何かが必要不可欠なのだ。為替市場に課すならば、その総額は非常に大きなものとなり、例えば、年金システムに資金を提供するなど、国家がその一部を社会政策に用いることもできるだろう。

-2000年初頭の大きな動きの後に、アルテルムンディアリスモ(もう一つの世界主義)の動きは停滞しているような印象を受けます。

-私たちは新たな段階に入ったのだ。アルテルムンディアリスモは、もう一つの世界は可能だという世界社会フォーラムのスローガンから生まれた。その提案のいくつか、トービン税のようなものは当時はとても革命的に見られたが、今ではある程度定着している。まだ実際に用いられるところまでは行っていないが、現在ではサルコジすらこの措置を擁護しているのだからね。(前編はこちら

ATTAC MADRIDのサイトに掲載された記事の原文はこちらです。

銀行にお金を預けると利子がつきお金が増える。なんとなく当たり前のこととして受け止めているシステムですが、これはなぜでしょう。ただ預けておくだけでお金が増えるのはおかしいのではないか。お金がお金を生む状況はおかしいのではないのか。ラモネが特に金融システムへの課税、特にお金を右から左に動かすだけの為替市場への課税を主張する大きな理由の一つが、現行のお金のシステムにあります。

『モモ』や『はてしない物語』でお馴染みのドイツの作家ミヒャエル・エンデは、晩年にこの問題に取り組んでいました。その一つの答えが、NHK出版から出ている『エンデの遺言ー根源からお金を問うこと』(河邑厚徳・グループ現代著)の中にあります。お金とはなんだろうと思った方は、是非とも手に取ってみてください。私もこの本を読んで目から鱗が落ちました。

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