Spanish Revolution スペイン革命の出発点となったのがM-15と呼ばれる5月15日デモ。このデモを主催した ¡Democracia Real Ya!(DRY)の主張を知ったときに、真っ先に思い出したのがアンチ・グローバリゼーションについてのラモン・チャオの言葉でした。

90年代末から2000年代初頭にかけて、世界中で盛り上がりを見せたこの運動の中心にいたのが、ラモンの盟友であるイグナシオ・ラモネでした。そして、この二人の共著が『グローバリゼーション・新自由主義批判事典』。タイトルが示す通りアンチ・グローバリゼーション運動(以下AG運動)を扱った代表的な書物です。

初めてラモンに会ったときに、「AG運動とは何だったのか?」というかつてからの疑問をぶつけてみました。「パリ五月革命の続きだよ。ベルリンの壁崩壊後、ヨーロッパの左派は方向性を見失ってしまっていた。ソ連邦の解体で資本主義の勝利が決定したというような状況になってしまったからね。ラモネがトービン税に目をつけ、そこから全てが始まったんだ。」とラモン。

パリ革命がAG運動として生まれ変わったように、AG運動が変化して戻ってきたのではないか。そう思ってデモの様子を見に行ってみることにしたのです。デモに参加してその予感は確信に変わり、AG運動の思想的柱であるアルテルムンディアリスモを扱ってきたこのブログ上で、今後の動きを追いかけること決めました。ラモンも「極めて重要なことが起こっている」と強い興味を寄せています。

そのうちに、AG運動の代表的な論客の一人ウルグアイ人作家のエドゥアルド・ガレアーノが5月24日にAcampada BCNを訪れたというニュースが届きました。こちらがそのときに行われたインタビューです。

「くそみたいなこの世界だけど、胎内にはもう一つの世界を孕んでいる。もう一つの可能な世界を。」と語る彼も、この新しい動きの中に希望を見出したようです。「この世界はあべこべなんだ。世界中をめちゃくちゃにした人々を処罰するかわりに、その損を補填してやるんだから。地球規模の危機を誘発したウォール街からは一人の逮捕者も出ないのに、マリワナを吸ったり、鶏を盗んだだけで投獄される人々は何万といる。全くあべこべなんだよ。しかし、これが唯一可能な世界ではない。」

「現在若者が投票しないのは、今与えられている民主主義を信じていないからだ。それは民主主義を信じていないからではなく、この民主主義、銀行家や嘘つきの政治家に操られた民主主義を信じていないからだ。信じないのは若者のせいかね?…この闘いが続いて行って欲しいと思っているよ。もし現在よりも明るい未来を期待できないなら、一体なんのために生きているというんだ?」

ちなみに、彼はベネズエラ大統領チャベスがオバマ大統領にプレゼントしたことで有名になった「Las venas abiertas de América Latina(邦訳タイトル『収奪された大地 ラテンアメリカ五百年』)」の著者。

そして26日には、AG運動を積極的に支援していたミュージシャンのマヌ・チャオも広場にも足を運びます。ちなみに彼はラモンの息子でATTACの名誉創設者でもあります。

やはり何か共通点があるようなので調べてみると、イグナシオ・ラモネが創設しAG運動で重要な役割を果たした組織ATTACのカタルーニャ支部も、公式サイトにDRY支援を表明する公式声明を出していました。以下がその日本語訳です。

Comunicado de apoyo de Attac-Catalunya al movimiento  ¡Democracia Real Ya!

-デモクラシア・レアル・ヤ!運動に対するアタック・カタルーニャの支援に関する声明文

今すぐに!真の民主主義のために

5月15日 、70の都市で13万人が通りに出た。私たちの市民としての義務はこれを継続することだ。DRYは行動する巨大な怒りの流れが存在することを示した。

そして、そのためには考えと提案を分かち合うこと必要不可欠だ。4年毎の投票でコントロールは十分だと当たり前のように確信して、投票結果以外は全て無視している人々を超えて、真の社会変革の計画と共に作り上げていくメカニズムを築くことだ。

怒るのには理由がある。彼らの言う民主主義は茶番で、彼らの言う経済は詐欺なのだ。

第二次世界大戦を経た1947年、キリスト教民主党の創設者でもイタリアの首相アルチーデ・デ・ガスペリは、29年の危機(訳注-世界大恐慌)を総括して、「資金と経済力を有する」人々の「政党」が有する有権者は多くはないが、「ストライキを抵当にいれて、資本の流失や物価の高騰、政治スキャンダルを計画することで、あらゆる努力を無為にすること」ができると指摘した。

そして、当時から彼らが展開させてきた計画の結果、この「政党」は桁外れに勢力を拡大させた。今日では、政治家は彼らの計画の実行者、もしくはただの操り人形だ。

マスメディアは彼らのスポークスマン。ジャーナリストは、プロとして生活したいのであれば、特権には理由があると納得しなければならない。

彼らの研究(大金持ちや多国籍企業が支払うが、私たちの税金も使われている)の中心は、彼らにとって好都合で、彼らの資産にとって風通しがよく、彼らの圧力団体が押し付けてくる考えを作り上げることだ。そして、彼らの政治家たちやそれができる立場にいる人々はすべて、無意識といえども自ら望んで、私たちに飲み込ませることを強いている。

現在は最後に残った大学の植民地化を完成させようとしている。ボロニア計画は、彼らが自分たち用の下僕としてどのような頭脳を欲しがっているかを示している。

つまりは…

  • 彼らは法治福祉国家と呼ぶが、それは権力の乱用を保障する規則を持つ横暴な金権政治国家に変えられてしまった。
  • 彼らは資本主義あるいは市場経済と呼ぶが、全て、とりわけ良心が競売にかけられている市場社会、友人たち利益のための独占/売り手寡占の公的補助金王国以外のなにものでもない。
  • 彼らは経済と呼ぶものは、圧倒的多数と未来の利益に反して、不毛な特権階級の利益となるように資源を浪費することだ。この消耗の影響を受けるのは若い人ほど急激になる。
  • 彼らが新自由主義と呼ぶものは、ごく少数の特権階級の命令に従うように圧倒的多数の人々を奴隷化する計画だ。
  • 彼らがグローバリゼーションと呼ぶものは、金融市場に見せかけて、特権階級の独裁を世界の上に広げるという幻影以外のなにものでもない。

事実、異なる地域や国の組織の間などで、『投資家/資金提供者』をめぐる獲得競争を通じて、私たちを全員膝まづかせようとするのだ。例えば、

国家、州の間、さらには市町村間にまで試みた(この名高い人頭税によってサッチャーは首相の座を失った)税制競争は、金持ちや世界的な寡占企業に対する課税を減らす。その代償として、労働階級や中産階級への課税と、最貧困層にまで影響を与える間接税を増やす。(私たちは『リスボン条約』のときのように、複数の国の国民投票で拒絶された欧州憲法のための条約第172条を強引に飲まされた。)

そして、その中では組織間の競争を通じて、金融市場と公的債務を通じて、資金が金持ちのポケットへの『支援』となるために、年金、医療、もしくは教育が圧縮されていく。

こうして、人々の資源や努力の相当な部分を、少数の最低な金持ちがかき集めているのだ。今日ほどの収入と富が集中が見られるたのは、唯一1929年の世界大恐慌の少し前の時機のみだ。

ここからどう進んでいくか(私たちが分かち合いたいと考える今すぐに取るべき措置)

市民権の創造のためには、問題に解決策を与えて、こうした解決策が実行可能であると示すことが必要なのは確実だ。

Attac Catalunyaはここに、最も緊急性の高い問題を解決するために今すぐに取るべき一連の措置を提示する。(これは長期的に取り組む措置も含む“Por un  cambio de modelo económico y social“の一部だ)

すなわち…

  • 少数の利益ではなくて、社会の必要性に応える経済を取り戻すこと。これは、活動の中で目的を見失うことなしに、組織の民主化を行うことによってのみ保障が可能とある。市町村はユーロが押し付ける強制から自由な社会通貨を通じて、あらゆるタイプの市民が率先して行う取り組みを支援し促進することで、地域経済を発展させることができる。また、そうするべきなのである。
  • 投機一色の市場を克服する。
  • 残りの市場に関しては、労働者、市民代表者、ユーザーという三方から制御するメカニズムを設立し、雇用主たちに有利に事を運ぶ使命を持つ業界の企業とつながりを持つ専門家たちの独占を妨げる。
  • 資本の流通に対するコントロールを回復する。
  • 包括的な税金、特に金融商品の売買や為替の売買に対する税金。良く知られたトービン税のように最も恵まれない人々や国民への支援に使われるもの。
  • 税制に関して協調することで、例えばEUのような国家間や国家内の税制競争を克服する。タックスヘイブンの廃止。
  • 累進課税とSICAVと呼ばれるような特権の廃止。税制に関する法律を見直し、金融査察を強化する。
  • 資産税や相続税を回復し、労働者階級や中産階級の痛めつけられた懐にはこれ以上手をつけない。この数十年間に急激に富を蓄えた人々から土地を取り戻す。巨額の富に対する税金を定める。
  • 民主主義を深刻に汚染している不公平さを減少させ、緊急の必要性に応えるために、富裕層の資産に特別税を定める。
  • 負債の支払いのために国家財政への義務的貸付を設立する。対外債務の監査。
  • 市民権や立法と行政への市民参加のような公的サービスや、住宅を得る権利やベーシックインカムを通して基本的な必要性を満たす権利など基本的権利を保障する。
  • ユーロに由来する麻痺状態の克服。私たちの国(スペイン)のように、困難な状況にある国において、二重通貨システムを設立する。ユーロと共に、環境保全や社会活動を支援するもう一つの通貨(例えば「エコソル」など)を定める。国内においては、税金や債務の支払いが可能なこの通貨がユーロに取って変わるであろう。

目的: 真の民主主義によって、現在ある『資本主義』(金権政治もしくは『友達資本主義』)を克服すること

私たちには、論拠、主張、解決策がある。

私たちが共になれば可能だ!

Attac-Catalunya

20115

ATTACについてはこちらも参照ください。

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