6月16日に新宿のカフェ・ラバンデリアには、あいにくの雨にもかかわらず、たくさんの人たちに集まっていただきました。2時間以上に渡って辛抱強く私のつたない話に耳を傾けていただいた方々には本当に感謝しています。一般の報道ではなかなか伝わらない、スペイン革命の一面を伝えることができていたらいいのですが。このときの内容は、追々ブログにアップしていきます。
 
報告会でもお話しましたがスペイン革命を理解するキーワードは、民主主義と新自由主義/資本主義。民主主義を軸にスペイン革命の概要をまとめたものが、現在発売中の音楽情報誌「ラティーナ」7月号『世界のニュース』のページにバルセロナ発ニュースとして掲載されています。(雑誌の詳細はこちら)。スペイン革命とは何かを大まかに知りたいと思っている方は、是非手に取ってみてください。
 
 
また日本滞在中は、イタリアが国民投票によって原発にNOを突きつけたということで、国民投票が話題になっていました。先月6月号のニュースには「通りから世論を視覚化する試み」として、国民投票を実施してくれない国や州に痺れを切らしたカタルーニャの人々が、自ら組織した民間の国民投票について書いています。とても興味深い試みなので、こちらも読んでいただければと思います。
 
そして、もう一つのスペイン革命の核でもある新自由主義/資本主義。資本主義や新自由主義への批判が溢れかえるスペイン語圏と違って、今の日本の現状だとこれを自分たちの身近な問題として捉えるのが難しいんじゃないかと思っていたので、報告会にも足を運んでくれた友人長尾くんのバンド赤い疑惑の新譜『オレ達は日本で生きてる』を聴いてはっとしました。
 
 
このアルバムを聴いていて、真っ先に思い出したのがフランスのミュージシャンSargento Garcia。音楽はもちろんのこと、移民の立場から現在の社会の問題点を指摘する歌詞が素晴らしいのですが、中でもストレートな資本主義批判を展開しているのが『El Regreso(帰還)』。
仕事をすれば君は奴隷だし 仕事をしなければ 君には一銭の価値もない
これが頭のイカれた経済の論理で 君の息を詰まらせ 君を痛めつける
光るものはすべて金だと君に思い込ませる これがやつの目的さ!
毎日わずかな施しを与えることで 君が黙りこんで腰抜けになるようにね!
じいちゃん 自由も鎖に繋がれていて 値段や重さがあるんだよ 金、銀、お金でね
この楽曲では、移民として先進国に渡り故郷に戻ってきた男が、自分の体験を祖父に語るという形で、自由の名の下に冷酷な弱肉強食のルールが肯定される社会と、そこに生きる人々の拝金主義を痛烈に批判しています。攻撃的に理詰めで畳み掛けるような歌詞に、初めて聴いたときには強い衝撃を受けました。新自由主義型の資本主義批判の視点を理解するきっかけを与えてくれた曲です。
 
一方長尾くんの歌詞はというと…。
日本風の情緒とでもいうのでしょうか。生活の息苦しさや閉塞感の原因が資本主義にあることを頭にでなく、心に訴えかけてくるんですよね。同じテーマを正反対のアプローチで扱って、そのメッセージが同じようなパワーで伝わってくるのって、本当に面白いなと思いました。ラテンアメリカの貧しい国でもモノが溢れる日本でも、現在の世界に生きる人々が抱える問題もその原因も同じなんですよね。
長尾くんの繊細で真っすぐな人柄が出たラブソングもとっても素敵なので、是非とも聴いてみてください!
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