先週のイギリスの出来事では、英国内にある格差が浮き彫りになりましたが、ヨーロッパの国家間にも依然として大きな格差があります。例えば昨年1月の調査結果によると、ヨーロッパで最も平均年収の高い英国人が年間平均46.058ユーロ(約502万円)稼ぐ一方で、スペイン人の平均年収はヨーロッパの平均 27.036ユーロ(約294万円)に満たない 21.500ユーロ(約234万円)。さらに最後に加盟した4カ国(ハンガリー、スロバキア、ルーマニア、ブルガリア)の平均年収は10.000ユーロ(約109万円)に届かないそうです。

ポルトガル人の約18パーセントが1ヶ月450ユーロ(約4万5000円)以下で生活する一方で、ドイツの若者は1週間510ユーロ(約5万5000円)の格安ツアーでスペインのリゾートにやってくる。これが経済統一したヨーロッパの現状なのです。この状況が変わるまで、怒れる人々の闘いは続くでしょう。

ということで、今日ご紹介するのは、各地の広場キャンプ後の全国的な動きLA MARCHA POPULAR INDIGNADA(怒れる人々の行進)です。

スペインを代表する詩人アントニオ・マチャードの「caminante no hay camino, se hace camino al andar(歩く人々に道はない。歩きながら道を作るのだ)」という詩にヒントを得て、スペイン各地から一ヶ月かけて徒歩で、キャンプによる抗議の中心となったマドリッドのプエルタ・デル・ソル広場を目指すというもの。サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼道を抱えるスペインらしい抗議方法とも言えますね。

では、いつものように彼らの声に耳を傾けてみましょう。

COMUNICADO DE LA MARCHA POPULAR INDIGNADA−怒れる人々の行進に関する声明文
これは非暴力の平和的な社会運動という提案であり、15M運動が抱いていた建設的で、民主的で、平和的な精神に与するものだ。6月から7月にかけて、国内の様々な都市から出発したいくつもの行進がスペインの政治の中心地を目指すルートを歩く。サンティアゴ・デ・コンポステーラ、カディス、ムルシア、バレンシア、コルーニャ、バルセロナ、ログローニョ、マラガ、グラナダからの出発が現在までに確認されている。
こうしたルートを一ヶ月かけて歩き、7月23日にマドリッド到着予定。
尊厳と変革の行進は通過する市町村や地区において、地元の人々と共に集会を実施することになっている。こうした集会は、アイデアや言葉の出会いの場として設けられ、民衆すべての不安や要求、経験や闘いを拾い集めていくだろう。こうしたものすべての集積は、一冊の分厚い書物となり、キャンプ、市町村、地区、個人の間の絶え間ない対話を生み出すことになる。すべての人々に居場所があるより公正な世界の構築に向かって歩きながら。
この運動を形成する人々の多くは、現在進行中のそれぞれの集会における活動に残るだろう。こうした集会はこの平和的な運動と主張による闘いを継続していくためには大変に必要とされるものなのだ。行進と集会はつねにコンタクトを取り、対話を続けていくことになる。(行進に)出発する私たちの人数はわずかだが、マドリッドに到着するときには、そうした声や意思を全て集めたものとなり、何千人にもなるだろう。これは、歩き、耳を傾け、対話するという謙虚さから出発する道なのだ。より良い世界を作るという社会変革のプロセスが”長い”学習を意味することを私たちは知っている。これは、道は長いということを示す一つの方法であり、長い道のりを小さな歩みで計るということが、この行進の目的なのだ。

私たちの怒りは耳を傾けることに代わり、私たちの行動は民主的で平和的な社会参加と社会変革を目指す私たちの道を作ることへ向かって進んでいる。(中略)

集会は私たちの政治的表明のための場所であり続け、その正当性は人々の参加に起因している。社会変革は政府次第ではなく、市民とその必要性によるものなのだ。

こうして生まれたのがマドリッドに向かう6つのルートです。

Publico紙より)

  • Ruta Este(Valemcia)−東ルート(バレンシア)
  • Ruta Extremeñaー内陸ルート
  • Ruta Noroesteー北西ルート
  • Ruta Nororiental(Barcelona)ー北東ルート(バルセロナ)
  • Ruta Norteñaー北ルート
  • Ruta Sureñaー南ルート

このルートを歩いて約600人がにマドリッドに到着した7月23日、再びソル広場が15M運動を支持する人々で埋め尽くされました。

(写真はlibrered.netより)

そしてまた、ここからMarcha a Bruselas(ブリュッセルへの道)が発足。

  • Marcha Meseta(Madrid)ー高原からの行進(マドリッド)
  • Marche Toulouseートゥールーズからの行進(フランス)
  • Marcha Mediterranea(Barcelona)ー地中海からの行進(バルセロナ)

この3つのルートで、現在もEU欧州共同体の本拠地を目指して歩き続けています。

今回一連の抗議活動を追いかけていてつくづく思うのが、スペイン人は楽しむのが上手いなあということ。これがラテン気質というものなのでしょうか。DRYも真面目な抗議活動を続ける一方で、「抗議活動にもバカンスが必要」と7月15日に「Toma la Playa(浜辺を占拠しろ)」という海辺のパーティイベントを企画したし、北東ルートからはこんなビデオクリップも生まれました。

今日で15Mからちょうど3ヶ月が経過しました。ヘッセル氏の「CREAR ES RESISTIR, RESISTIR ES CREAR(創造は抵抗、抵抗は創造)」という言葉を実感する日々です。

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