今回『Spanish Revolution 2012』のカテゴリーを新設し、今年アップした関連記事はこちらに移動しました。合せて、昨年度の分は『Spanish Revolution 2011』としました。

ATTAC Acordemのサイトより)

先週土曜日1月28日にバルセロナで再び大規模なデモがありました。シベリアからの寒波の襲来に加えて、直前まで雨という悪条件だったにもかかわらず、再び通りに飛び出した人々の数は主催者側の発表で15万人(ちなみに警察側の発表では2万人)。カタルーニャ広場から州議会があるシウタデリャ公園まで怒りの行進を行いました。

アルトゥール・マス率いるCiU集中と統一党の政権は、11月の総選挙で議席を増やしたことに気を良くして、特に医療や教育分野での削減を行う緊縮政策を押し進めてきました。今年に入ってからは、公共料金の値上げが相次ぎ、生活は苦しくなる一方です。さらには、緊縮政策の影響で景気はさらに悪化、失業率も上昇中。

という背景から、今回のデモはカタルーニャの現政権への抗議活動として報道されましたが、実は、その裏にもっと大きな目標がありました。

デモ呼びかけのポスターを見るとわかるように、デモを組織したのはFSCatことFórum Social Cataláカタルーニャ社会フォーラム。FSCatは、毎年スイスのダボスで行われる世界経済フォーラムに対抗して生まれたFórum Social Mundial世界社会フォーラム(WSF)が、2008年に呼びかけた国際連帯行動に応えるものとして生まれた組織です。つまりこのデモは、ブラジルのポルトアレグレで開催中の世界社会フォーラムに連動して企画されたものだったのです。

そのため、今回のデモは今までとは少し様子が違いました。15-M運動は政党や労働組合といった既存の組織が無力化していることを批判するものでもあったので、15-M運動が呼びかけるデモにはこうした組織の姿を見かけることはありませんでした。しかし、今回のデモにはPSCカタルーニャ社会労働党、ERCカタルーニャ共和主義左派、ICVカタルーニャ緑の党といった野党や、UGT労働総同盟やCCOO労働者委員会連合といった労働組合も参加していました。その一方で、15Mの流れを汲むグループの姿も見られました。

今やバルセロナの抗議活動の顔となったArcadi Oliveresアルカディ・オリベレスが、デモの最終地点で読み上げた28Gマニフェストの翻訳をご紹介します。『Altre Món és Possible(もう一つの世界は可能だ)』とデモの裏のスローガンがはっきりと読み取れます。

Aturem les retallades! (削減を阻止しよう!)
No a la dictadura financiera(金融の独裁にNOを)

私たちは深刻なシステム危機の只中にいる。これは、銀行家と大企業の経営者たちの貪欲さと公資源を浪費-銀行の救済と豪勢な公共工事などによる-が引き起こした結果であり、新自由主義型資本主義とグローバリゼーションの最も残忍な顔を示すものだ。

経済危機が、私たちが暮らす福祉国家の不安定であること、民主主義的自由が不足していること、階層化に向かう社会が極めて不平等なことを示している。

彼らが提案する唯一の処方箋は新自由主義に沿ったものだ。社会費の削減と税率アップはいつも同じ人々に向けられている。巨大な富を持つ少数の家族や、巨大企業はいつものように除外され、税金逃れを続けているのだ。今やらなければならないことは、解決策を見つけることと、共通の利益に貢献することであるにもかかわらず。

カタルーニャでは、74万2千人以上が失業しており、5人に1人のカタルーニャ人が貧困にある。その一方で、極わずかな人々の手にしか届かない贅沢品の売り上げは新記録を達成した。病院は1フロア丸ごと閉鎖され、緊急医療サービスの窓口も閉鎖。医療センターは診察時間を短縮し、公共教育は完全に忘れ去られている。一時間毎に立ち退きを強いられる人がいて、最も貧しい人々が社会サービスから排除されている。さらには、リストラを行う一方で大企業団体は利益を増加させているのだ。

この数日間、スイスの都市ダボスの世界経済フォーラムには世界の最も豊かな人々が集まっている。その目的は、私たちにさらに多くの削減と公共サービスのさらなる縮小を押し付け続け、アラブの春や世界中で怒れる人々の動きを黙らせること。だからこそ、最も不利な立場にいる人々と私たちの声を聞かせるために、人々が通りを占拠することが緊急に必要とされている。今すぐに、最も豊かな人々の利益にしかならず、世界の人口の1パーセントに富を集め、国家や貧しい人々に対して巨大な権力を与えている新自由主義政策という舵を変えなければならないのだ。

私たちに銀行や投資家に救済に心を砕かせ、人々に非難を向ける経済や社会のモデルを変えなければならないのだ。最も富める人々のために、常に同じ人々を権力の座に就けておく、この不完全な民主主義を変えなければならない。

私たちが望んでいるのは、疎外や貧困、失業、立ち退き、汚職、人種差別、差別、男性の暴力といったものがないカタルーニャだ。私たちは、平和で連帯して、全ての人々が社会的権利を持つもっと公正な世界とカタルーニャを望んでいる。新しい世界を築くのは私たちの仕事だ。なぜなら私たちが真の多数派なのだから。なぜなら私たちは私たちの未来を決める権利があるのだから。私たちに提案を計画へと進めることができれば、私たちが一つになって声を上げれば、この変革は可能となるだろう。

今日、社会変革に関する提案を共同で作り上げていくプロセスとして、2012年カタルーニャ社会フォーラムが始まる。私たちと一緒に変革についての提案を示し、分かち合う人々や組織は誰でも大歓迎だ。

憤慨を行動に移そう。金融の独裁にはNO! 削減を阻止しよう。

もう一つの政策は可能だ! もう一つの経済が必要なのだ!

私たちの手で、もう一つのカタルーニャ、そしてもう一つの世界を可能にしょう!

2012年1月28日バルセロナ

FSCat公式サイトによると、2008年、2010年とWSFの枠組みの中で活動を行ってきたのですが、今回は経済危機真っ直中ということを鑑みて独自な活動も行っていくとのこと。El procés del Fòrum Social Català del 2012カタルーニャ社会フォーラムプロセス2012して、今後5月まで様々な活動が予定されています。

考えの違いを乗り越えて300を越える組織を纏め上げた28Gのデモ。今回のデモによって、カタルーニャの人々の動きは新しい局面に入ったようです。

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