昨日2月20日バレンシアで高校生が中心の教育予算の削減反対デモに対して、国家警察の反騒乱部隊が暴力的に介入し、未成年を5人を含む25人の逮捕者を出す事件が起こりました。

625億ユーロの負債を抱えるバレンシアでは、思い切った緊縮政策によって教育関連予算が大幅に削減され、教育システムが麻痺する事態になっています。約1200校の公立学校は8ヶ月前から補助金の受け取っておらず、音楽学校に対する補助金の削減は54パーセントに達し、大学はすでに2012年度の限度である8000万ユーロの負債を抱えて…。その結果、電気代の支払いが滞り暖房がつけられないどころか、トイレットペーパーやコピー紙がないといった状況の学校もあるそうです。

そうした状況の中、1月21日には教育関連費用の未払いに対する抗議のデモが行われ、1万2000人以上が参加しました。この日をきっかけに、教育を受ける権利を求めて校門に立つという活動を始めた高校があります。それが今回逮捕者を出したルイス・ビベス高等学校でした。彼らの抗議活動を巡る状況は先週の木曜日2月16日境に大きく変わります。公道に出て交通を遮断したデモに対して国家警察が介入、17歳の学生を逮捕して警察署に連行するという出来事が起こったのです。

その翌日17日にこの逮捕への抗議集会が行われると、警察はまたもや介入し10人の逮捕者と17人の負傷者を出します。こうして状況が日増しに緊迫の度合いを増す中で、昨日の夕方さらに深刻な事態を迎えました。学校を出発してスペイン広場に向かうデモ隊に対して、25台のバンで待機していた反騒乱部隊が暴力的に介入、デモを力づくで解散させたのです。

平和にデモ活動を行う人々に対する警察の暴力行使は、動画や写真と共に『Primavera Valencianaバレンシアの春』の名前で瞬く間にネット上で広まり、マドリッドやバルセロナなどスペイン各地で抗議行動が呼びかけられます。バレンシア大学歴史学部には400人の学生が立て篭って、バレンシアの中央政府代表パウラ・サンチェス・デ・レオンの引責辞任を要求しました。

そして、一夜明けた今日21日、警察の暴力に対する抗議がスペイン各地で行われました。バレンシアの中心部に集まった人々が手にしていたのは学生の武器である本。警察の警棒に対する彼らからの答えです。

Publico紙より)

中央政府代表サンチェス・デ・レオンは「警察の行き過ぎ」や「権利の乱用」がなかったの調査を命じた一方で、国家警察はバルセロナ、セビリャ、バヤドリッドから150人を増員したとも報道されています。明日も大規模な抗議集会が予定されており、まだまだ緊迫した状況は続きそうです。

ちなみに、スペインの警察組織は自治州によって異なります。例えば5月のカタルーニャ広場の事件において、デモ隊に介入したのはカタルーニャ州警察で、その責任者は州内務大臣のフェリプ・プッチでした。ところが、バレンシア州には自前の警察機関がないために、今回介入を行ったのは中央政府の管轄下にある国家警察。それで、バレンシア中央政府代表が責任者ということになるのです。

さらには、アルベルト・ファブラが率いるバレンシア州政府も中央政府と同じPP国民党の政府。今回のバレンシアの一件によって、ラホイの国民党政府に対する国民の目が、さらに厳しくなったことは間違いないでしょう。

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