昨日スペイン政府が国内で4番目の銀行Bankiaバンキアの国有化することを発表しました。このいきさつを簡単にまとめてみると…。

5月7日月曜日にバンキア総裁Rodrigo Ratoロドリゴ・ラトが辞任を発表し、後継者にJosé Ignacio Goirigolzarriホセ・イグナシオ・ゴイリゴルサリを指名したのが全ての始まり(ラトについてはこちらの記事も参照ください)。

彼が後継者に指名したゴイリゴルサリは2009年に退職したBBVA(国内第二)から300万ユーロの終身年金を受け取っているそうで、この総裁の交代には大きな批判が巻き起こりました。

一方でラジオ番組に出演したラホイ首相が、バンキアを救済するためにさらなる公的資金投入の可能性を示唆。これもまた「教育や医療分野で大幅な予算削減を行っている一方で、まだ銀行に金をつぎ込むのか」と厳しい批判に晒されます。その日の夕方IU左派連合は「公的資金を投入するなら、政府が直ちに介入して国有化しろ」と要求しました。

そして、昨日5月9日にゴイリゴルサリが新総裁に就任すると、夕方にはバンキア親会社BFA(Banco Financiero y de Ahorros)の国有化の噂が流れます。スペインの金融システムの体力に対する株式市場の疑念が再燃したことで、株価は再び急下落し、バンキアの市場価値はこの3日間で6億ユーロ分減少。

結局、噂は本当でした。2010年12月28日にFROB(銀行再建基金)が参加優先株の形でBFA に投入した44億6500万ユーロが国家所有の普通株に転換されることを経済相が発表したのです。つまり、FROBがバンキアの資本の45パーセントを間接的な所有者となり、バンキアのコントロールを有することになるということ。

BFAはCaja MadridやBancajaなど7つの銀行が合併してできた非上場の組織で、グループ企業の有害な資産をまとめて保有するいわゆる「バッド」バンクでした。この銀行が株式45パーセント以上を所有して、普通の銀行業務を行うバンキアの筆頭株主となっています。そのため、国家がBFA株の100パーセントを所有するということが、国家がFROBを通じてバンキアのコントロールを有する意味になるというわけです。

しかしながら、国のコントロール下に入ることは、そのまま公的銀行になることを意味するのではありません。「資本の投入は介入を意味しない」という経済相の言葉どおり、現状では1000万人の顧客と40万人の株主を有するバンキアの経営は、ゴイリゴルサリという私人によって行われるのですから。

こうした状況を受けて、公的銀行を求める声はさらに大きくなっています。

(Publico紙『El Estado controlará Bankia』参照)

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