昨夜7月11日にマドリッドでデモ参加者と治安維持部隊が衝突して76人の負傷者を出したことは、スペイン国外にも大きく報道されているようですね。この日のマドリッドでは元々、前回の記事で紹介した炭鉱労働者の抗議活動が予定されており、支援する人々が集まることになっていました。バルセロナでも連帯行動としてカタルーニャ広場から州庁と市庁があるサン・ジャウマ広場までデモ行進が行われました。

ところが、ちょうどそのタイミングで政府が新たな緊縮策を発表したために、この政府の決定に対する抗議の意味で通りに出た人も多かったようで、8人の逮捕者の中には炭鉱関係者はいなかった模様。それにしても、こうした衝突がある度に思うのですが、衝突のあるところに治安維持部隊ありというか、治安維持部隊が出て来ると必ず衝突が起こるような…。

と、このところスペインの警察に関してはイメージダウンに繋がるニュースしかなかったのですが、今日の夕方興味深いニュースが飛び込んできました。警察官と消防官を中心とする公務員約700人が、新たな削減策に抗議してマドリッドの中心でデモ行進を行ったというのです。

Publico紙より)

首相マリアノ・ラホイの辞任を求めて、下院を警護する治安維持部隊と衝突し、通りを遮断しながらPP国民党本部までデモ行進した彼らのスローガンは「君の安全は私たちの手の中にある」。携帯電話のメッセージを中心とした呼びかけに応えた自然発生的な行動だったために、事前に許可を得ていない違法なデモとみなされるそうですが、いてもたってもいられずデモに参加した景観たちの気持ちも、新たな緊縮策の中身を見てみると理解できます。

  • 付加価値税を18%から21%、食品など一部商品の軽減税率を8%から10%に増税、パンなど基本的必需品の特別税率は4%の現状まま
  • 失業手当を給付開始6か月から基本給の70%から50%に減額(現在は基本給の60%)
  • 公務員のクリスマスボーナス廃止
  • 住宅ローン減税の廃止
  • 年金受給開始年齢の延長を含む年金制度改革の実施
と、国民全体が影響を受ける内容。結局のところ、警察官にも緊縮政策に苦しむスペイン国民なんですよね。このニュースが掲載されたサイトには「ラホイの新たな成功。このまま行けば聖職者にストをさせることまで成し遂げるだろう」と皮肉iたっぷりのコメントが寄せられていました。公約と国民の声を完全に無視する政権の行動が図らずも、スペイン国民の団結を助けることになるのかもしれません。
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