昨日7月19日は2大労働組合UGTとCCOOを中心とするスペイン全土での同時行動を呼びかけに応えて、80都市で人々が通りを埋め尽くしました。中央政府がある首都マドリッドでは、組合側の発表で80万人、政府側の発表で4万人(ものすごい数字の差!!)が参加したとされています。さてこちらカタルーニャでは、組合発表によると州全土で50万人、バルセロナで40万人(警察発表4万人)。バルセロナ市の人口が約160万人と言われていますから、バルセロナ市民の4人に一人がデモに参加した計算となります。

彼らはこの国の沈没を望んでいる

私たちは黙らない

2012年7月19日19時半ウルキナオナ広場

今回のデモの目的は、支援融資と引き換えにトロイカからさらなる緊縮を課されたことを受けて、政府が発表した新たな緊縮政策に対してNOを突きつけること。前回の記事を書いた12日の時点では、緊縮政策の全容はまだわかっていませんでした。その後、公報で詳細が発表されると、ラホイ首相が議会で説明した措置はあくまでもごく一部だったことが明らかになります。

そこに記されていたのは、若者に対する家賃補助の30パーセント削減や専門的活動に対する個人所得税の引き上げ、さらには9月1日から適用される新税率の軽減税率対象商品の見直し。例えば、今まで8パーセントの税率が適用されてきた花や観葉植物、コンサートや演劇、映画やサーカスの入場料、葬式、美容院、デジタル放送、アート作品の購入などが軽減税率対象から外されて、一気に21%の付加価値税が課されることになるのです。

こうして、再びバルセロナの通りは怒れる人々で埋め尽くされました。

今回の集合場所ウルキナオナ広場はカタルーニャ広場よりもかなり小さいので早めに向かったのですが、7時を少し過ぎたばかりの時点ですでに広場に繋がる通りが人で溢れ返っていました。待機する人々をかき分けてデモ隊の先頭に向かいます。

こちらは民営化がささやかれる国鉄の人々。横断幕には「公の鉄道のためにみんなが一つになろう。民営化とは皆の資産を数人にプレゼントすることだ」

黄色いヘルメットを被った消防士たちの姿も。

ようやくデモ隊の先頭に到着。広場がいっぱいのため、デモ行進ルートのラエタナ大通りにすでに少し下がっていました。

いつも通り予定時刻を過ぎてからデモ隊が出発。あっという間に通りが人で埋め付くされました。

労働組合が呼びかけたということで、やはり労組関係の旗が目立ちます。このグループは「インターナショナル」をスピーカーでならしながら行進していました。

デモ隊の全容を把握しようと、1キロほどあるラエタナ通りを下りきったところで待っていたのですが、いつまでたってもデモ隊の終わりが見えません。9時を回ったので、行進に逆流してデモの最後尾を探しに行くことにしました。ちょうど一年前の7月20日のデモとは明らかに規模が違っています。この一年で状況は悪化の一途なのですから、当然と言えば当然のことですが。また、参加する顔ぶれも多様化して、随分変わってきています。今回目についたのが、こちらの人々。

「独立=解決策」

「独立なしの解決はない」

横断幕を見れば明らかなように、彼らはカタルーニャの独立を支持するグループ。実はここ数ヶ月カタルーニャの独立を巡る状況が新たな局面を迎えています。3月に全国放送のインタビューでカタルーニャの大物政治家ジョルディ・プジョルが全国放送のインタビューで「スペインとカタルーニャの関係は悪化している」「もし独立の賛否を問う市民投票があれば、賛成に投票する」などと語ってと、大きな波紋を呼んだのです。彼はCiU集中と統一党政権において23年間に渡ってカタルーニャの州知事を続けた、今でも大きな影響力を持つ人物。現役時代は独立派とは一線を置いていたのですが、第一線を退いた現在はことあるごとに独立を指示する発言を繰り返しています。

「君主と資本に反対ー共和国」

そして、君主制からの脱却と共和国の建国を目指す人々。経済危機は時間の経過と共に社会、そして政治の危機へと変化しつつあります。この動きはアラブの春と同じように、政治体制の変革なしには終わらないのかもしれません。

そして、カタルーニャの警察官の組合もデモに参加しました。経済危機を契機に現在の民主主義に疑問を持った一部の若者たちの呼びかけが、経済危機の深刻化という追い風を受けて、国民全体で民主化を見直す動きへと変わりつつあるようです。

これ以上の緊縮政策と削減を阻止するために、ラホイ首相の辞任と解散総選挙、そして削減政策に関する国民投票の実施を目指すスペインの人々。彼らの次の一手は、無期限ゼネストと言われています。

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