実はこのプロジェクトにはもう一つの目的があります。それは、トランジスター・プレスから出版予定のラモン本の制作過程を通して、今までとは違う出版の形を模索してみようということ。ブログという形で制作までの道のりを残そうというのも、そうした試みの中で生まれたアイデアです。

ラモン本の中で重要な役割を果たすドン・キホーテ、痩せこけた老いぼれ騎士と太っちょの従士の物語は、セルバンテスによる書物へのオマージュとも言われています。というのも、物語の終盤バルセロナに到着したドン・キホーテは、自分を虜にした書物が生まれる場、印刷所を生まれて初めて訪れます(彼の故郷、荒野が広がるラマンチャには印刷所などあるはずもなく…)。そこで自らを主人公にしたドン・キホーテの贋作が印刷されているのを目撃し、憤慨するドン・キホーテ。

電子書籍がリアルなものとなり、紙の書籍の意味が問い直されている現在の日本の状況の中で、「読みたい本を自分たちの手で作る」ことを目指して、このプロジェクトに興味を持っていただける方に、ソシオという形で参加してもらうのはどうかと思いつきました。

Socioソシオとはスペイン語で会員や仲間を意味する言葉で、サッカー好きな方はご存知だと思いますが、サッカーチームのファンクラブ会員はソシオと呼ばれています。

スペインでは生活におけるサッカーの重要性ときたら桁外れ。F.C.Barçaバルサの本拠地バルセロナに住んでいるだけで、私のようにサッカーに全く興味がなくても、バルサの試合がある日は街の変化でわかる(通りに人が少なく女性ばかり。スーパーで男性グループが買い物してる。宅配ピザのバイクが多い…)ほどです。

そんなバルサのソシオたちの誇りは、彼らの愛するバルサがソシオからの会費やTVの放映権などの自己資金で運営されているということ。資金だけでなく口も出すスポンサーがいないから、バルサは独立を保って自由にバルサらしくいられるそうです。

未来の読者の方々と一緒に出版までの道のりを歩んで行く方法として、このソシオ方式をちょっと真似てみることにしました。今後、このブログ上で参加方法をお知らせしていきますので、ラモン本を読んでみたいと思った方は、是非ともQuatre Gatsのソシオになってください。

またプロジェクトに関するお問い合わせは4gatsbooks*gmail.com(*を@に換えてください)までお気軽にどうぞ!