Las Andaduras del Che(仮/チェのさすらい)

 

旅をするときは、何かしらの形で身銭を切ることになる。この著作は世界を巡る旅が伝記へ、つまり運命へと錬金術のように変容していく過程を記録したものだ。ニーチェと同様に、エルネスト・ゲバラは旅の道中で自らの哲学を発見した。この発見は年老いた哲学者を狂気へと導き、若い医師を殉教者へと変えた。

ゲバラの最初の旅は、まるでスポーツのような一つの挑戦だったが、共産主義者アルベルト・グラナドスが同行する次の旅は、風景の変化につれて精神が変容していく過程を辿るものとなる。自転車旅行者はドン・キホーテとなり、日記にはその変容がどのように、そしてなぜ起こったのかが記されていった。

ウォルター・サレスの映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』のように、ラモン・チャオは感情移入しながらも適度な距離感を保ちつつ、この旅の日記を独自に解釈していく。ドン・キホーテ何度も読み返している著者だからこそ、プロローグでイグナシオ・ラモネが記しているように『アルゼンチン人の旅とラマンチャの男の冒険を対比する』ことが可能だった。ウォズニャクのイラストが持つ繊細な無垢さが、著者が伝説となった男の伝記に込めた敬意にさらなる彩りを加える。

『グローバリゼーション・新自由主義批判辞典』の共著者で、プロローグを書いたラモネを交えた3人で、ダニエル・モルジンスキのカメラに収まった。

ラモン・チャオ(1935年ルゴ県ビラルバ生まれ)は、パリで執筆に専念するため、音楽の道を放棄。ラジオ・フランス・インテルナショナルのラテンアメリカ部門長を務め、フアン・ルルフォ文学賞を創設した。小説やエッセーを執筆する傍ら、ル・モンド・ディプロマティーク紙にも寄稿している。

(原書裏表紙より)

チェのさすらい原書
Las Andaduras del Che 原書